SEANです。
いただくメールの中でけっこう多いのが、どこかのタイミングでの売却を考えています、というものです。
株式でもそうですが、購入価格より上昇していたら、売りたいどころか、逆に買い増ししたいと思い、値段が下がっている、あるいは、思ったよりも上がらない場合には売りたくなるのが人間心理です。
経済学の前提は、人間は合理的に行動する、というものですが、実際にはそうはいかないものです。
そんな中、
せめて買い値、あるいは、今まで支払った金額が戻ってくるのであれば売りたい
というオーナーさんの声は非常に多いなあと感じています。
確かに、”払った分は回収したい”、というのは、人間としてとても自然な感情だと思います。
ですから、株式や為替のトレーディングでも、過去の重要な取引ポイントは、サポートラインとかレジスタンスラインとなって、そこのラインに近づくと、一旦、売りや買いの勢いが弱くなることが多いものです。
例えば、コンドミニアムであれば、400万ペソが中心販売価格帯であれば、350万ペソから400万に近づくにつれて、いわゆる、”やれやれ売り”は出やすくなるのではないかと想像しています。
仮に、買い値で売れたとしましょう。
感情的には、良かったと思う。
ここで終わらせるのも良し、というのもありだと思います。
一方、”買い値まで戻ったら売りたい”というのを、きっちり投資、ビジネスとして突き詰めていくのであれば、ですが、下記を考慮しないといけないと考えます。
・物件本体価格以外に支払った費用
各種手数料、物件のための渡航費用、等
・今後、売却までに必要な費用
ローン金利、内装費用、等
・インフレ、為替水準
例えば、8NTの販売時期が2013年だとしたら、本年2018年までの5年間で、平均インフレ率は3%と見ておくのが良いでしょう。
となると、5年間で物価は15%上昇している。さらに、このペースでの前提ですが、3年後の2021年であれば、21%になります。
2割高くならないと、実質的には”買い値”とは言えなくなる。
さらに、為替も考慮が必要な方もいるかもしれません。
円建てでプラスマイナスを考えるのであれば、現状では為替差損(支払った時よりも円高になっている。ペソの価値が下落している)の状態になっている人が多いのではないでしょうか。
上記の事柄を突き詰められるだけ詰めて、売却の判断材料にするのも、もちろんよろしいかと思いますが、一方で、売値は市場が決めるものです。ですから、時間の価値、キャッシュフローの現在価値も考えた方が良いというのが個人的な考えです。
言い換えれば、
売却で得られるキャッシュフロー(手残りはプラスのキャッシュフローですし、売却しない場合に発生するマイナスのキャッシュフロー(ローン金利や維持費など)も考慮すべきですが、とりあえず簡単に考えられるよう、
”売却で戻ってくるお金で、今よりも良い投資が出来る”
のであれば、それが売り時、というのが私個人がいつも考えていることです。
人間は感情に左右されるのは仕方ない事です。
ですから、埋没原価、SUNK COSTという会計用語もある位なのですが、いずれにしましても、
自分は何を基準にして判断しようとしているのか?
は把握するのがよろしいかなあと感じています。
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