SEANです。
GDPの伸び率や、外国人として訪れる事が多いマカティやBGCの建築ラッシュを見ていると、フィリピンは力強い経済成長をしている、と思えますが、一般庶民の暮らしぶりはどうなのか?
今日のまにら新聞から転載ですが、民間調査機関によると、貧困を実感している家族は48%、という結果です。
日本人はどうしても日本の尺度で物事を考えますから、フィリピンも、かつての日本と同様に経済成長に伴い、全ての国民が豊かになっていく、と思っている人が多いのではないでしょうか? フィリピンの不動産を薦める会社では、実際、人口ピラミッドといったキーワードでフィリピン投資の有望さをアピールしてきました。
私個人としては、全く違う考えです。以前にも書きましたが、フィリピンは国民全体が豊かになるように資源配分される仕組みが機能していません。
皮肉な言い方になりますが、もしかしたら日本の先を行っているのかもしれませんが、格差は益々広がっていく流れです。政治がこのままであれば。
私は街歩きが好きなので、フィリピンに来る前は日本でも香港でもバンコクでも、5キロくらいは普通に歩いていました。
本当は、今住んでいるマニラでも歩きたいのですが、例えば、マカティから日本料理店が多いマラテまでの約5キロを歩いたことはありません。
途中のエリアはフィリピンの基準ではスラムには分類されていませんが、日本人感覚では完全にスラムです。
ドブ川沿いにトタン屋根の粗末な作りの家が密集しており、通りに出てきて遊んでいる子供たちは皆、裸足です。
タクシーからいつもこのような風景を見ているので、歩こうという気持ちはなくなります。男性ですから注意して歩けば怖い思いは多分しないと思いますが、そのようなエリアは匂いがひどく、気持ちが悪くなってしまうのです。
実際、マカティのオフィスから歩いて10分を超えて、海側のパサイ市に向かって行ったことがあるのですが、危険な感じはしないものの、匂いと路面の汚さには参りました。
以前住んでいたバンコクでは感じたことが無かったのですが、生ゴミや排泄物の匂いが充満していく中をウォーキングというのは、非常に厳しいです。
数年前よりは良くなっている部分はあるかもしれませんが、個人的に感じているのは、かつての日本のように、国民全体、地域全体が底上げされていく、というものではなく、富裕層や外国人のエリアと貧困層のエリアの差が、これまで以上に広がっていく、というものです。
フィリピンへの投資。
個人的には、かなり難しいと思いますが、やりたいという場合には、経済成長しているから、というだけで、簡単に投資対象を選ぶのではなく、日本で投資するのと同じように、個別の物件とか投資対象をじっくり精査することが大事だと考えています。