SEANです。
午前中、マカティ市のはずれの新興エリア、ROCKWELL CENTERに行ってきました。
日本人はあまり行かないかと思いますが、BGCを小さくしたような綺麗な街並みです。
ネスレをはじめとする外資系企業のオフィスもあり、経済成長中のフィリピンを感じることができる場所です。
一方、日本人にお馴染みな、マラテ、エルミタ地区となると、一気に下町感が出てきますが、東京の下町にはいない、ホームレスやストリートチルドレンを今でも見かけます。数年前よりは減りましたが、それでも、沢山いることには間違いない。
5歳くらいの子供が深夜でも物乞いしたり、花売りなどをしているのを見ると心が痛くなります。コンビニやファストフードの入り口に張り付いている子供もいます。
日本だったら学校で勉強している時期に、その日の食い扶持のために働かざるを得ない。
幾らか小銭を渡せば喜ばれるのですが、根本的解決にはなりません。
現在のフィリピンでは、物乞いの子供として生まれたら、すでに職業は決まっている訳です。
仮に豊かな国や豊かな人が現状のフィリピンに多額の援助をしても、それは経済学的に言えば、効率的な資源配分にはなりません。汚職や様々な不効率の集合体がフィリピンだからです。
こういう現状なのは、やっぱりというか、教育が圧倒的に足りていないからだと思います。
過去のスペイン、アメリカ植民地時代の愚民化政策から、独立した今でも根本は変わっていないのだと思います。日本は近隣国を植民地化したと批判する勢力はありますが、個人的には植民地化と統治は全く異なると考えています。高度な教育環境を整えるのは植民地化ではなく統治です。
UNESCOの2015年の統計によると、フィリピンの大学進学率は35%だそうですが、周りに聞いても自分の感覚でも、とてもじゃないけど、そんなに大学には行っていない、と思います。
私がフィリピンに住む前に聞いた話ですが、ショッピングモールの店員でも大卒じゃないと採用されない、という事を聞きましたが、それは嘘だろうと思いました。
日本の感覚でしたので、基本的な接客、レジ対応などは大卒じゃなくてもできるだろう、と思っていたのですが、フィリピンに住みだして理解するようになりました。
とにかく、物事を知らなさすぎる人が多いし、かつ、未知の事柄になると、秒速でギブアップする人も多い。
個人的にですが、勉強の効果として、単なる知識だけではなく、忍耐力が付くことや、分からないことを何とか調べたり考えたりして分かるようにすること(問題解決力ですね)があると常々思っているのですが、フィリピンの多くの人たちに欠けているのが、まさにこの部分なのです(うちの会社のスタッフには、欠けているとは感じませんが、当然、結構、経済的に苦労した人も多いですが、ちゃんと教育を受けているから、それぞれレベルは違っても問題解決力は持っています)。
当社の社員の中には、貰っている給料のかなりの割合を、弟と妹の大学の学費に充てている人がいます。大変な事ではありますが、社員の本人自身、教育の効果を痛感しているから、自分の生活や贅沢を犠牲にしても、兄弟の教育のために頑張っています。
フィリピンの会社の役員のひとりとして、間接的にではありますが教育に貢献できるのは嬉しいことなのですが、もっと多くの人が良い教育を受けられるフィリピンになってほしいと願っています。